外国人スタッフの身体介助教育と在留資格の壁
介護現場で外国人スタッフと一緒に働いたことがある方なら、こんな場面に心あたりがないでしょうか。
マニュアル通りに動いている。言葉も通じている。
でも何か、介助の時の体の使い方が伝わらない。
これは決して、彼らの意欲や能力の問題ではありません。
身体介助には言語化しにくい感覚的スキルが多く含まれているからです。
場面① 上手くいかないから「力」でいく
体格の小さいスタッフが、
利用者をほぼ腕の力だけで持ち上げるように移乗していた
本来の移乗介助は利用者自身の残存機能を引き出しながら、介助者は最小限の力で誘導するものです。
「そっと支えて、できるだけ重心を誘導して」という感覚は言葉だけではなかなか伝わりません。
結果として「うまく行かない→もっと力でいく→体に負担がかかる」という悪循環に陥ります。
場面② 体位変換 「痛みのサイン」を読み取れなかった
体位変換は、関節の拘縮や褥瘡予防のため欠かせない介助です。しかしだからこそ、利用者の表情や筋緊張のわずかな変化を読み取りながら進める繊細さが求められます。「痛かったら言ってください」と伝えても、すべての方が上手に表出できるわけではありません。力任せに動かせば脱臼や骨折につながるリスクもあります。関節に負担のかからない動かし方とはどういう方法なのか? また痛みを表出できない人の痛みのサインはどのように感じ取るのか。これらは技術だけでなく生理学・運動学的知識が不可欠です。
伝わらないのは誰のせいでもない
この二つの場面に共通しているのは、スタッフが怠けていたわけでも、施設の指導が不十分だったわけでもないということです。日本語ネイティブのスタッフでさえ、ニュアンスの理解や医学的知識はなかなか習得するのが難しいものです。言葉の壁がある状態では細かなフィードバックがさらに届きにくくなります。頷いてはいるけど、本当に伝わっているか確信が持てない。そのまま現場に立ち続けた結果、腰痛が慢性化して離職、あるいは利用者への意図せぬ負担につながってしまうケースが起きています。
教育が追いつく前に、在留資格の期限が来る
さらに深刻なのは在留資格との兼ね合いです。もし5年後も日本で介護職を続けたい場合、介護福祉士の国家試験合格が必要です。体の使い方をようやく覚えたと思えば、試験対策のために現場に集中できない日が続く。そんな状況も珍しくありません。試験に落ちれば在留資格の更新はできない。
「育てた人材が、制度の壁によって離職してしまう」リスクが、介護現場には常に存在します。採用・教育にかけたコストがそのまま消えてしまうだけでなく、本人が日本で働き続けたかったのに身体や制度の壁が先に来てしまう。ここに悩んでおられる経営者様は多いのではないでしょうか。
教育と在留資格を同時に見られる専門家が必要
この問題の難しいところは、「介護の専門知識」と「在留資格の知識」の両方が必要という点です。
施設の管理者が試験制度を熟知しているとは限りません。行政書士が介助の現場感覚を持っているとも限りません。その両方の視点を持つ支援者が、現場にはまだ圧倒的に少ないのが現状です。
当事業所では「現場の教育課題」と「制度の手続き」を一体で支援しています。
外国人スタッフの現場での動きを直接見続けているからこそ、書類だけでは見えない課題にも気がつくことができます。
教育の問題なのか、制度の問題なのか——その切り分けがつかない段階でも構いません。外国人スタッフの定着や在留資格の更新でお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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